臓器提供とは

臓器提供には、脳死後の提供と心臓が停止した死後の提供があります。

生前に書面で臓器を提供する意思を表示している場合に加え、ご本人の臓器提供の意思が不明な場合も、ご家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました。しかし、ご家族だけで臓器提供をする・しないを判断することは大きな負担となります。そのため、臓器を提供する意思も提供しない意思も、運転免許証や健康保険証等の意思表示欄に記入し、ご家族に伝えておくことが重要です。

実際に臓器提供できるかどうかは、その万が一の時に、様々な条件の中で決まります。病気であることや年齢に関係なく、いつ訪れるかわからないその日のために、今の自分の意思を記入して携帯しておくことが大切です。

心臓死・脳死・植物状態って?

従来、人の死の診断は、①心臓の停止 ②呼吸の停止 ③瞳孔の散大(脳機能の消失)という3つの徴候を確認した時点を死亡としてきました。しかし、医学の進歩により、人工呼吸器などが開発されると、生命維持に欠かせない脳幹を含めた脳全体の機能が停止し、本来心臓死を迎える状況でも、器械によって呼吸を維持し、心臓を動かし続けることができる場合もみられるようになりました。この状況を“脳死(全脳の不可逆的機能停止)”といいます。脳死と判断された場合、多くは数日以内に心臓も止まります。

一方で、植物状態は意識がなく、一見脳死と同じように見えますが、脳幹の機能が残っている状態で、自分で呼吸できることが多く、回復する可能性もあります。脳死とは全く別のものになります。