1 主治医等が脳死とされうる状態と診断

事故や病気による脳障害などで入院した人に対して、最善の救命治療を行ったにもかかわらず、回復の可能性がなく、終末期の状態(脳死とされうる状態)と診断された場合、臓器提供をする・しない意思について伺うことがあります。

本人の臓器提供を希望する意思があるか本人の意思が不明で、家族が臓器提供について説明を聴くことを希望されれば、臓器移植コーディネーターが病院に伺い、臓器提供に関する説明を行います。

2 家族の意思決定

説明を聞きたくないと思われた時は、説明の途中いつでも断ることができます。

臓器移植コーディネーターから説明を受けた後、十分に話し合いをして臓器を提供するかどうかを家族の総意として決めます。

提供しないことを選択されても、これまでどおりの療養が継続され、不利益な扱いを受けることはありません。

3 法的脳死判定(脳死下提供時のみ)

臓器提供が決まると、2回の法的脳死判定が行われます。法的脳死判定は具体的な判定方法が法律によって規定されています。2回目の脳死判定が終了した時刻が死亡時刻となります。

家族が希望すれば脳死判定に立ち会うこともできます。

心臓が停止した死後に提供する場合には法的脳死判定の必要はありません。

4 移植を受ける患者の選択

移植を希望する人は(公社)日本臓器移植ネットワークに登録し、移植の機会を待っています。提供される臓器が最も適した患者(レシピエント)に移植されるように医学的な基準に従い、コンピューターによって公平に選ばれます。

5 臓器摘出手術と搬送

臓器移植を受ける人(レシピエント)が選ばれると、臓器の摘出手術が行われます。

手術はおよそ3~5時間かかります。

摘出された臓器は、移植手術を行う施設に迅速に運ばれて、移植されます。

摘出手術後は、速やかに家族のもとへ戻り、エンゼルケアを行った後、退院となります。

手術の創(あと)はきれいに縫い合わされ、清潔なガーゼを当てて外から見ても分からないようにします。(眼球提供の際は義眼を入れます)。