“この先の自分と家族へ伝えるもの”

2012年の流行語に「終活」という言葉が選ばれました。メディアや書籍などで多く取り上げられ、今では定着した言葉となっています。「終活」とは、人生の最期を自分の望むように自分で準備することで、何も準備ができていない状態で、「もしも」のことがあった場合、残された家族が困らないようにしておきたいという思いから生まれた言葉だと言われています。

死後に臓器を「提供したい」「提供したくない」という臓器提供意思を表示することも、終活の一つといえます。ただ、臓器提供の意思表示に関しては、終活を意識するような年齢になった方だけでなく、若い方にも意思表示をしていただきたいと思っています。それは、コーディネーターとして臓器移植医療に携わる中で、当たり前に続くと思っていた人生が、生活が、当たり前じゃなくなることに立ち会われる方が年齢を問わないことを痛感しているからです。

これからの人生の中で「移植を受ける」「臓器を提供する」私たちはどちらの立場にもなる可能性があり、大切な方、身近にいらっしゃる方がその立場になることもあります。家族のため、移植を必要としている方のため、そして何より、自分自身のために、死後に臓器を「提供したい」「提供したくない」の意思表示をお願いします。これから先の自分と家族へ送るメッセージとして。

当財団におきましては、県民の皆さまが自分自身の臓器提供意思について考えられるよう、臓器移植とはどういうものか、臓器提供はどうのようにして行われるのか、正しい情報を発信し続けてまいります。

宮崎県臓器移植コーディネーター